好きになってしまう原理

好きな俳優、女優を聞かれる機会って結構あると思う。「好きな」とは異性として見て惹かれる部分があるという意味でだ。ぼくは好きな女優について訊ねられたら(訊ねられなくても積極的に言ってしまうが)宮崎あおいを挙げ、調子がいい時は吉高由里子も付け加える。

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宮崎あおいは「良い」。もちろんかわいいし、演技も上手いんだけど、なぜ好きなのかというと「良い」からだ。「良い」以外の言葉では表せない。これはぼくの語彙力の問題ではなく、日本語で表せる範囲の狭さの問題である。同じ言葉でも哲学用語が一般的に使われる用語と指す領域が異なるように「良い」という言葉は存在する。このまま考えを進め、研究を始めれば言語学者になれそうである。まさか宮崎あおいスタートの言語学者はいないだろう。

大学の教授たちは四季を知らないので1月から春休みに入っているわけだが、ぼくはあまりにすることがなく(こんな文章を書いているくらいだ)実家に帰っていた。一人暮らしをしている家にはテレビがない。理由は単純でNHKの集金が怖いからだ。あるチャンネルを見た事があるという既成事実を作り、金をゆする。当たり屋と同じ手法だ。こわい。だからぼくは実家に帰るとずっとテレビを観る。楽しい。おかげで昼の情報番組に詳しくなってしまった。ヒルナンデスの3色ショッピングで優位に立つためにどのような戦略をとればいいかを考えていたら1日が終わる。幸せである。

さて、ずっとテレビを観ているともちろんCMも多く目にするわけであるが、最近けしからんものをやっている。そう、マイナビ転職のやつだ。

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宮崎あおいが出てるじゃないか。しかもぼくの知らない男が頭をなでなでされている。そんなこと聞いていない。「良さ」に頭をなでなでされるなんて。羨ましい限りである。だがぼくは日本の高等教育を受けているので瞬時に理解した。これはCMなので演技だ。「良さ」が「頭なでなでしてやりてぇな」と本気で思ったわけではない。「良さ」はギャラを貰ってなでなでしているのだ。そしてぼくは安心して3色ショッピングについて考えを巡らす。

 

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調子がよい時付け加える吉高由里子の話をしよう。「調子がよい時」というのは、すた丼を食べに行った時に今日は奮発して塩すた丼にしちゃおうかな、みたいな時である。すた丼屋が近くにない方のために、はなまるうどんでえび天をトッピングしてしまう時、もアリにしようと思う。けしからんことに吉高由里子もCMをやっている。三井住友銀行のやつだ。

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彼女は言う。「時間があるっ 時間がないっ」。ぼくは思う。「時間があるっ(あるのか!?) 時間がないっ(ないのか!?)時間があるっ(あるのか!?) 時間がないっ(ないのか!?)」と。このCMが流れるとぼくは前のめりになり、いったいどっちなのかドキドキしてしまう。CMには2パターンあるようで、時間がない場合は「でも大丈夫!」、時間があるのかないのかよく分からないときは「どっちも大丈夫!」と言うのだ。どちらにせよ吉高由里子のかわいさには全く問題はない。それこそ「どっちも大丈夫!」なのだ。ちなみにだが初めてTwitterでフォローした女優は吉高由里子である。

さて、現在ぼくがTwitterでフォローしている女優は2人だけである。1人は吉高由里子。もう一人はというと芳根京子だ。

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芳根京子もかわいい。最近ぼくの中で確固とした地位を築きつつある。派手な顔立ちではないものの、見ると安心する。Twitterもいい。お母さんと出かけたことを書いたりする。絶対いい子じゃん。というわけでこれからはもし好きな女優3人目を挙げるとしたら芳根京子、と低い声で絞り出すように言うようにしたい。

ぼくはこの3人について考えた。なにか共通点はあるだろうか?確かに顔の系統は一緒かもしれない。ただ、ぼくはそれだけではない気がした。この3人が好きなのは見た目だけではないはずだ。例えば吉高由里子二階堂ふみは顔が似ているとネットでよく話題になる。だがぼくは二階堂ふみが特に好きなわけではない。難しい問題だ。

あれ、そういえばなぜ芳根京子Twitterでフォローしたのだろう。そうだ、朝ドラだ。朝ドラ『べっぴんさん』のオープニングでスキップするポニーテールの芳根京子が最高だったからだ。わかった。そこで全てが繋がった。この3人は全員ぼくがよく観ていた朝ドラに出演している。『おひさま』あたりから『ひよっこ』の前半あたりまでは観ていたのだが、宮崎あおいは『あさがきた』に、吉高由里子は『花子とアン』に出演している。そう考えるとたしかに土屋太鳳も高畑充希宮本信子玉木宏も結構好きである。

きっとドラマの中とはいえ、長くその人のことを見ていると気持ちが入ってしまうのだろう。なにせほぼ毎日顔を見るのである。それはすきになっちゃうよ。よく言われる心理学の話で、一度長い時間会うよりも何度も短い時間あった方が好感度が上がりやすいというのがある。そういうシステムだったのか。

ぼくは結論が出てすっきりした。朝ドラが鍵だったとは。…朝ドラ?放送局はNHKだ。こんな素敵な出会いをくれたNHKを当たり屋扱いする奴は許せない。